2012年12月31日

片付けられない人達

いよいよ今日は大晦日である。

おせち料理作りやお雑煮の準備など、食に関する日本の習慣はとっくの昔にあきらめた。何しろ、真夏のオーストラリアでは、そうした料理は美味しく感じられないのだ。

オーストラリアに来て最初の数年は、それでも手に入りにくい食材に苦労しながらも努力した。子供達のためにと思って...。

しかし、気温が40度近くになるような猛暑の正月が何度も続いてすっかりあきらめてしまった。無駄な努力だと感じてしまったからだった。

年末の料理に関する日本の習慣は忘れても(今でも作ろうと思えば作れますが)、「大掃除」という習慣は忘れがたい。

家の中をさっぱりときれいに片付け、掃除をして、新年を迎えたいと思うのだ。

ところが、これが簡単なことではない!

四人家族の我が家には、三人の片付けられない人達がいるが、中でも筋金入りの「片付けられない人」というのが夫である。

結婚する前の1年を入れて、丸々19年間一緒に住んでいるが、この人の片付け能力の欠如具合は皆さんの想像の域を超えている。片付けられる私にとっては、もう理解不能というか、ただ「怠惰のカタマリ」に見える。

片付けの基本は、「すべての物に住む場所を決める」であるが、この基本が夫には通用しない。なぜならば、その「住む場所」というのをすぐに忘れてしまうからだ。

TVドラマ「Big Bang Theory」のシェルドン・クーパーに勝るとも劣らないほどの高知能指数を有しているにもかかわらず、なぜ彼はすぐに忘れてしまうのか?

さらに、わずか数秒で終わるはずの「開けたら閉める」「出したら戻す」「使ったらしまう」を怠るがために、家の中はすぐにごミ屋敷状態となるのだ。

ゴミ屋敷状態となってしまったら、必要とするものが見つかりにくくなる。ただでも「物の住む場所」を忘れてしまいがち夫は、ホッチキスなりボールペンなりペーパークリップなり、必要とするものが見つけられない。

そのような場合、忍耐強く見つかるまで探すということはしない。大した値段でもないのだからと彼は新しいものを買うのである。

これを繰り返し続けるので、我が家には大量の文具&オフィス用品が存在する。

彼が片付けられないのは、もちろんオフィスだけではない。寝室も玄関もバスルームも、彼が使用するすべての部屋で物が散らかり続ける。

それを私が片付けてあげていたのは遠い昔のこと。ウンザリも怒りも通り越して「あきらめの境地」なのです。

引っ越して来たこの小さな家には、夫と私がそれぞれ別々にオフィスを持つということはできないので、居間のスペースの一部に夫と私のデスクが並んでいるが、半分は機能的に整理整頓されて必要なものがすぐに見つかる私スペース。コンピューターの中も同様に、どんなファイルもすぐに見つかるように整理されている。そして、もう半分がごミ屋敷。コンピューターの中も同様。だから、頭の良い夫はいつも何かを探して時間を無駄にしている。

引っ越してきたのは11月。夫の持ち物はいまだに片付いていない。玄関の外にも、夫の物があふれている。

さて、一昨日のことだが、私、頑張りました。子供達の部屋と夫のデスク以外の大片付けと大掃除を決行!すっきりと片付いたきれいな玄関、キッチン、居間、バスルーム、ランドリー。

「気持ちいい!」

久しぶりに清々しい気持ちでおりましたのですけど、見てごらんなさい!

玄関には、何度頼んでも脱いだままにする夫の靴が2足ころがり、仕事関連の機械や道具も所狭しと置かれたままだ。居間のコーヒーテーブルの上にはDVDや夫が最近練習しているムチが出しっぱなし!ベッドの周りには、脱いだままの服やソックスがころがっている。キッチンには、先日買ってきて夢中になっているTORMEK社の水研磨機が出しっぱなしで、親戚友人達から「僕が研いであげるよ」と、次々に集めてくる刃物がいっぱいころがっている。

家の周りに茂りすぎた木や植物を次々に切ってくれるのはいいけれど、切った後がそのままで見苦しい。片付けないのなら切るな!

年末の大掃除からわずか2日。大晦日の今日、我が家はすでに家の中も外も大散らかりなのであります。


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2012年12月27日

映画「ホビット」

クリスマス翌日のボクシング・デーから公開の映画「ホビット」を見てきた。

ボクシング・デーは、おそらく映画館が込んでいるだろうと思い、その翌日である今日27日の朝1番の9時45分の上映へ家族4人で出かけたのだが、映画館はガラガラだった。

ちょっと拍子抜けだった。そして、もしかしたら映画「ホビット」は、うわさ通り出来がいま一つなのだろうかと、悪い予感も頭をよぎる。

Rotten Tomatoesのサイトでも評価が良くないし、しょせんは子供向けの大して長くもない物語を3部作にしているんだから、どんな映画になっているのやら...。

まあ、私の一番の楽しみはリチャード・アーミティッジのトーリンなんだし、お子様向けのお話と割り切っていこう!

さて、映画は、この話の背景となるドワーフ一族の悲運についての説明から始まったのだが、この説明部分がかなり長い。

しかし、この説明がないと、なぜトーリンが仲間のドワーフ12人を引き連れて故郷と財宝を奪還するための命がけの旅に出るのか分からないし、彼のスマウグに対する憎しみの理由も分からない。だから、この説明部分はOK。バトルシーンも「ロード・オブ・ザ・リング」的で期待通り。

ところが、ドワーフたちがビルボ・バギンズの家に集まって大騒ぎが始まると、「ああ...、やっぱりお子様向け映画...」と悪い予感が強くなってきた。

ビルボの家の中でのシーンが続く。なかなか冒険の旅は始まらない。

が、しかし!

安全で平凡な暮らしを愛するホビットのビルボが、帰ってこれるかどうかも分からない冒険の旅に出ようと決心するまでに結構時間をかけたので、ビルボの気持ちが変化していく過程がよく分かり、説得力があった。

まあ、ストーリーを追って感想を述べるのは差し控えることにするけど、皆さん!Rotten Tomatoesをはじめとする多くの映画評価サイトでの批評に惑わされてはいけませんよ!私は、見終わって大変満足でした。★評価で行くと★★★★☆であります!


厳格で自尊心が強く、スマウグへの復讐心に燃える勇ましい(ハンサムな)トーリンは、そりゃあもちろんかっこよかったですよ。

でも、ゴラムやオークたちをはじめとするCGが、ちょっとやり過ぎ!きれい過ぎ!
不必要なほどの暴力的アクションシーンのローラーコースターには、ちょっと閉口!
おなじみのキャラクターたちが前作の「ロード・オブ・ザ・リング」の頃に比べて歳とったなあ...と分かる。
まあとにかく、最初から最後までCGだらけだ...。

それに、「ビルボ・バギンズは、やっぱりイアン・ホルムでなくちゃあ...」と、思っていたのです、最初は。

だけど、マーティン・フリーマンはうまかったですよ。そして、この映画はやっぱりホビットの話なのだと納得しました!そうです、映画「ホビット」は、マーティン・フリーマン扮するビルボの冒険のお話なのです。

安全安心平凡平穏生活にどっぷり浸かっていた生きていたホビットのビルボが、変身していくのです。刀など持ったこともなかったビルボが、戦うんです。





映画が終わって思ったのは、「早く続きを見せて!」でした。でも、1年も待たなければならないとは...。

そうそう、ちなみに、原作を読んでいる夫や息子に言わせると、映画はかなり原作とは違っているそうです。原作にはないシーンや原作には登場しないキャラクターも少なからずあったらしい。それはそれで、彼らも映画を楽しんだようですけどね。


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2012年12月26日

食べて飲んで昼寝して

クリスマスイブの夜9時半頃に、やっと包み終えたクリスマスプレゼント。息子と娘が作ることにしていたチョコチップクッキーとラムレーズン入りチョコレートトリュフとブラウニーのことだ。

我が家の3人(私以外の人達)は、最後の最後になるまで物事を先延ばしにする人達であって、そういう傾向は何時も混乱とパニックとをもたらす。そのとばっちりが私にふりかかるので、本当に迷惑なのだ。

まあ、とにかく義母の家に持参するクリスマスプレゼントがちゃんと準備できたので、ホッとして眠ることができた。

そして、クリスマスの朝。

我が家から車で45分ほどのヒールズビルという街の郊外の広い広い農場に住む義母の家へ向かった。

農場内の丘の上からの眺め

彼女の家に着くと、居間には大きなクリスマスツリーが飾られており、ツリーの下及びその周りにはおびただしい数のプレゼントが積み上げられているではないか!

ああ、やっぱりプレゼントを準備してきてよかった。持参したプレゼントをツリーの下に置いていると、義母が叫んだ。

「それは何!プレゼントはしないことにしようと言ってあったでしょう!皆んな、私の言うことを無視するんだからあ!」と、彼女は大喜びであった。

昨日は、彼女のパートナーのお兄さん夫婦も来ていたから、私達家族を入れて総勢11人だった。思っていたよりも少なかった。(このお兄さんは、法曹界では結構有名な弁護士であるらしかった。)

昨年同様、到着するなりシーフードをお皿に盛り付けるようにと指示された私は、娘のサチを誘って言われたとおりにする。文字通り山ほどのエビ、まっ赤っかに着色された偽装カニ肉風魚肉、タコのマリネ、ムール貝の酢漬け、スモークサーモンとスモークトラウトなどなど。

まだ10時半だというのに、シャンペンを飲みながらシーフードをもりもり食べながらのプレゼントタイムである。いやあ、さっき朝食を食べたばかりだというのに、朝からお酒とシーフードというのはねえ、なかなか食べれるものではありません。

大騒ぎのプレゼントタイムが終わり、しばらくしたらもうランチタイムである。

100人分はあると思われるロースト料理の登場だ。今年は、夫の弟がスペイン人のガールフレンドと一緒に帰って来ているし、義母のパートナーの弁護士兄夫婦と息子も来ているということで彼女は気合が入っている。

ナント、巨大ほぼ1頭分とも思われる豚肉のロースト!巨大七面鳥の丸ごとロースト!巨大骨付きハムのロースト!がドカンドカンドカンと登場した。

「うっわあ、すごっ!」

この3種類のロースト肉に、いつものローストポテトやサツマイモ、ニンジン、パーシニップ、エンドウ...といった焼いたり茹でたりした野菜と各種ソース類が添えられた。

シャンペンとシーフードでまだおなかがいっぱいの私は、これほどのご馳走を前にして、もったいないことにろくに食べることができないのだった。しかし、オージー達は違う。一体どれほど巨大な胃をしているのか、本当に驚かされる。

そして、皆が食べ終わったとたんに、義母はおなじみのクリスマスプディングを運んできた。クリスマスのデザートとして欠かすことのできないプディングというのは、こういうものです。


毎年、義母の姉が、家族の伝統レシピに忠実に、大量の乾燥フルーツ類と牛脂などを練ってこしらえるハンドボールのボールくらいの大きさの巨大団子は、1年かけて熟成される。これをクリスマスの日に、朝から数時間かけて大鍋でコトコトと茹でるのだ。

義母家では、これにブランデーバターとカスタードソースとホイップクリームとバニラアイスクリームをかけて食べる。

プディングの登場に「おお!」とうれしそうなオージー達。「おいおい、もうプディングを出すの?」と冷たい目で見る私。義弟のスペイン人のガールフレンドは、「ええぇ!」と狼狽している。そんな、たて続けに食べ続けられませんよねえ。

可愛らしく礼儀正しい彼女は、丁寧に断り、それでも義弟の皿から一口取って口に運んでとても美味しいと感想を述べるのだった。私も昔は彼女のように礼儀正しく無理して耐えていた...。

でも、今の私は違うんです。「私はいりません」とためらうことなく断れる。断っても別に失礼なことではないと知っているし、オージー達と同じように食べたり飲んだりしていると、大変なことになりますからね。

この間、ずっとワインやビールを飲み続けているオージー達。食事が終わると、眠くなるのは必至。いつの間にか誰もいなくなった。

昼寝から目が覚める頃には、もう夕方。夕食にはお昼のランチの残りと決まっているのだが、私達家族はちょっと退屈すぎてさっさと帰宅することにした。

こうして、いつものように「食べて飲んで寝て過ごすクリスマス」の一日が今年も終わったのでした。


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2012年12月24日

暑い...けど、やるしかないよ

毎年、クリスマス頃にはこういう猛暑の日がある。昨日は、メルボルンの気温は各地で40度近くになった。

こういう猛暑の日は、エアコンをつけて家の中にこもっているのが一番だ。

私が作っていたクリスマスプレゼントは全部完成した。やれやれ...。

子供達のプレゼントは、クッキーやケーキなどのオーブンで焼いて作る菓子類だ。居間兼オフィスのエアコンをつけていても、隣のキッチンはそれほど涼しくはならない。暑苦しいキッチンで「オーブンを使うのはやめてちょうだい!」ということで、猛暑の昨日はプレゼント作りをしなかった。

さあ、今日はクリスマスイブ。何としても今日中には作らなければならない。

さて、気温だけど、昨日よりは涼しくなっているとはいえ、朝起きた時の気温が30度を超えている。家の中は涼しいとは感じない。

大変だけど、頑張るしかないですよ。まあ、オーブンに入れてしまえば、後は涼しい居間で待ってればいいのだからな。

さあ、クッキングのスタートです。


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2012年12月21日

ブログを書いている暇がない

なんで、ブログを書く暇がないのか?

クリスマスのプレゼントを作っているからですよ!

今年のクリスマスシーズンは、娘のサチからの提案(というか宣言!)でクリスマスをお祝いしないことになり、クリスマスツリーも出さなかったし、家の中にクリスマスっぽいものは何もなく、やや寂しいながらもそれはそれで楽チンだったのに...。

クリスマスの日も特別な予定などなかったのだけど、やはり今年も義母の家に行ってクリスマスランチを食べることになった。

生活に困窮している私達家族がプレゼントなどに無駄金を費やすことを良しとしない義母のポリシーにより、プレゼントもしないということだった。彼女からは、クリスマスプレゼントとして映画「ホビット」の家族チケットをもらうのだそうだ。チケットを買ってくれたとは聞いていたが、それが私達家族へのクリスマスプレゼントとは知らなかった。

そうしたら、突然、夫の弟が上海からクリスマス帰国!彼のガールフレンドもクリスマスにはやって来るということになった。彼女はスペイン人で、前回彼女がメルボルンに来た時には、しっかりプレゼントをもらっている私達。このクリスマスに彼女が手ぶらでやって来るわけがない。

そこへ来て、義母のパートナーの息子も、クリスマスにはクイーンズランドからやって来るということになり、...集まる人数がどんどん増える!

彼らは「クリスマスをお祝いする人達」なのだから、こうしてみんなが一堂に会すれば恒例のプレゼントタイムが行われることは必至。こりゃ、手ぶらでは行けないでしょ?

でもですねえ、本当に生活の方は厳しいやりくりをしている私達家族は、プレゼントに費やす余裕がないのです。

じゃあ、手作り!

というかねえ、実はここ数年、少なくとも私と子供たちは「クリスマスプレゼントは手作り派」なんです。夫は「妻にお任せ派」だから気楽なもんだ。

息子のカイは、毎年毎年「ミスター・チョコチップクッキー」だから、今年もチョコチップクッキーを作るのだろう。考えなくていいから楽チンだ。

娘のサチは、ラムレーズン入りチョコレート・トリュフとチョコレートブラウニーを作るといって材料の準備をしている。

私は、ここ数年は毎年手作りクラフト物をプレゼントしてきた。手編みのマフラーとか巾着袋、きれいな布で縫ったバッグやポーチなど。オリジナルデザインのエプロンも何度か作ったが、大きめに作ったのに小さすぎて着れないということもあって、身につけるものはサイズが難しい。

年々レベルアップしてきていると自負しているので、しょうもないもんを差し上げるのはプライドが許さない!というわけで、ここ3日ほど猛制作中なのです!

義弟への「手編み耳あて&ポンポン付き帽子」と彼のガールフレンドへの「名前入りの黒いおしゃれエプロン」が完成!

義母へプレゼントは悩みに悩んで、裏庭で摘んできたラベンダーでポプリを作ることにした。「全然お金をかけずに作った」というのが、彼女には重要なのだ!ラベンダーは、現在いい感じで乾燥中。クリスマスまでにはポプリになるだろう。

義母のパートナーには、まだ思案中で、オリジナルプリントTシャツかニット帽か...、今日中には決めなくちゃ...。そして、彼の息子には、スペースインベーターの「冷蔵庫マグネット」を購入した。彼はスペースインベーダーが好きで、彼の家の居間にはあの懐かしのスペースインベーダー・ゲーム機があるほどなのだ。

明日は、友人宅で毎年恒例の「クリスマス・イブ・イブ・パーティー」があるので、何か食べ物を作って行かなくてはならない。

ああ、ブログを書いている暇などないはずなのに、こうして書いているのは気分転換のため!さあ、また制作に戻りましょう。おっと、その前に、急な翻訳の仕事が入ってたいたのを忘れてた!くそっ、忙しい時に限って急な仕事とは...。


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2012年12月17日

キッチンの窓から侵入

昨晩は、知り合いの家に夕食に招かれた。ご主人の方は精神科医だったが、和牛に魅せられてからは和牛農場の経営に取り組むも、結局は和牛生産ではなく和牛の精子や受精卵の販売をするビジネスをするようになった人だ。

ずいぶん年下の奥さんは、とっくに定年退職してよい歳だが今でも心臓外科医の秘書として働いている。

このお二人の家に、和牛ステーキの夕食によばれたのだから、我が家の社交性の欠如した子ども達ですら喜んでお招きに預かったわけ。

まあ、それはともかく。

夜遅く帰宅した私達は、思わぬ危機に直面した。

玄関の前で夫がドアを開けるのを待っていると、夫も私の方を見ながら待っている。

「ヒロコ、早く開けてよ!」
「ええっ?私は、鍵持ってないわよ」
「なに言ってんの?家を出る時にドアをロックしたのは、ヒロコでしょ?」(子ども達も一緒になって「What a f***...」と叫んでいる!)
「ロックしたけど、鍵は置いてきた」
「何ぃ?なんで鍵を置いてくる?」(子供たちが「Oh my god!!!」と叫んでいる!)
「あなたも玄関の鍵は持ってるじゃん!」
「玄関の鍵は俺のバンの鍵と一緒にしてるよ!ヒロコの車のスペアキーとは一緒にしていないだろう!」
「そんなこと私は知らないでしょ?あなたが鍵を持っていると思ってるから、私の鍵は持って行く必要がないと思ったわよぉ!」(子ども達の罵り声もうるさくなる!)

お互いを責め合っていてもらちが明かない。

「裏のドアは開いてるの?」(家の裏の洗濯室から外へ出るドアのこと)
「今日に限って、鍵をかけた!」
「F***ing hell!」

息子のカイがすぐに家の裏にまわって確かめると、確かにいつも鍵などかけない洗濯室のドアはがっちりロックされている。

全員が無言...。

「キッチンの窓は開けっ放しにしてきたよ。網戸はスライド式だから簡単に開く」と、私...。

ここで日本の方には、お見せしておかなければなりません。オーストラリアの普通の家の窓がどのような作りになっているか。


窓は、通常このように上部に蝶番が取り付けられており、下側が開くようになっている。

我が家のキッチンの窓は古くて、金具が錆びついているので開けにくいのだが、夫が馬鹿力でガンガンと無理やり引っ張ると人が入れる程度には開くことができた。

真っ暗なので、IPhoneの明かりが頼りである。

「あれだけ開けば、サチなら入れるじゃない?サチは身体も柔らかいし」
「えええっ?わたしがぁ?...... よし、私やる!」

偉いねえ、サチ。

「じゃあ、俺、梯子を取ってくる!」

おお、いつもは気が利かない息子が、このような危機的状況においては、一応いろいろ考えるのだな!

ほぼ真っ暗闇の中を、裏の物置に梯子を取りに行ったカイが戻ってくるのを待ちきれず、背の高い夫がサチを持ち上げることにした。

サチの足を夫が両手を組んで持ち上げる。すぐにサチの頭は窓に届いた。そこからが大変。窓枠に手をかけて身体を持ち上げるサチを、さらに夫が下から押し上げる。

「ちょっと!明かりがないと何にも見えない!」と、サチが叫ぶ。

下からiPhoneで照らしていた私は、iPhoneをサチに渡した。何とかサチは窓をすり抜けて、中に入ることができた。

「カイぃ!もう梯子はいらないよ!」と叫んでいると、カイが梯子を担いでやって来た。

「ああ、カイ、梯子はもう要らなくなった。サチはもう中に入った」
「Oh F***!!!」
「ありがとうね」

そして、中に入ったサチが電気をつけ、鍵がなくても開けられる洗濯室のドアを中から開けて、ああやれやれ私達は家に入ることができたのだった。

良かったなあ、キッチンの窓を開けっ放しにしておいて。もしあそこが開いていなかったら、私達どうしたんだろう...?


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2012年12月16日

掘り出しものが見つかるオプショップ

オプショップというのがどのような店なのか、オーストラリア在住の皆さんならよくご存知だと思うが、ちょっと説明しておきたい。

「オプ」というのは「Opportunity オポチュニティ」という言葉から来ている。「有利な条件、チャンス、好機」という意味の言葉だ。オプショップはチャリティーショップとも呼ばれ、様々な団体がチャリティーを目的に運営している、寄付された中古品を販売する店のことだ。

「古着屋」と訳しては語弊がある。なぜなら、オプショップで販売されているのは衣類に限らない。家具、食器、台所用品、手芸用品、ソーイングの型紙、本、ファッションアクセサリー、靴、おもちゃ、ゲーム、ビデオ、DVD、CDなどが一般的な品目で、大きな店なら、さらに自転車や歩行補助機器と、ありとあらゆるものがそろっている。

メルボルン周辺だけでもとてもたくさんのオプショップがある。あらゆる街に少なくとも1軒はあろうと思われるのだが、Opshop.orgのウェブサイトでリストを見つけたのでちょっとご覧ください。

あるオプショップの店内


私は、娘のサチがコスプレ&仮装が大好きなため、小学校のドレスアップ・デーの仮装用コスチュームを準備するために近所のオプショップを利用していた。私にとってのオプショップは、仮装コスチューム用の古着屋というものでしかなかった。

昨年、我が家の生活は経済的に困難を極め、子ども達に新しい服を買ってやることなど不可能だった。ティーンエイジャーになったサチは、ファッションの好みが変わってきて新しい服が欲しいのだが、食べるのに苦労しているのだから服など買えるはずがない。

でも、ハロウィーンの仮装だけはどうしてもあきらめられないサチ。仮装の服ならオプショップで安く買える。

そこで、ある日、サチと私はリングウッド周辺のオプショップめぐりをしたのだ。いつも利用する近所のオプショップ以外のそれまで行ったことがなかった店にもいろいろ行ってみた。

そうしたら、まあ、皆さん!オプショップの古着は侮れませんよ!

最初は仮装のために使えそうなものを探していたのだけど、いつの間にかファッション・ショッピングとなったのでした。

物によっては新品同様!店によっては、寄付する人たちの中にファッションに結構お金をかけている人が多いのか、大変な堀り出しものがたくさんあるのです。ブランド物もあったりします。

結局、その日、サチはブランド物のデニムショーツ5ドルを半額の2ドル50セントで購入。他の店では、ベルト1ドルとデニムのワンピース(これが最高にカッコイイデザインで今でも愛用中)5ドルと黒のジャケットを8ドルくらいで購入した。

この日以来、オプショップでのショッピングは私達の楽しみとなった。

先日は、息子のカイにスーツを買う必要があった。学校主催の「10年生の親睦パーティー」みたいなイベントがあったのだ。私達家族は、現在は食べるのに苦労はしていないけれどまだまだ生活は苦しい。スーツなんて買えるか!どうしようか...と、私は悩んだ。

で、結局どうしたかというと、オプショップで買い揃えたのだ。上質ウールの黒のスーツを19ドル95セントで購入。ドレスシャツは気に入ったのがありすぎて、1着で良いところを結局2着購入した。それぞれ6ドル95セントだった。ネクタイは夫のものを借りて、これでカイはその夜のパーティーでベストドレッサーとなったのだった。

昨日は、またサチと久しぶりにオプショップに行った。サチは蜘蛛の巣模様の黒レースのトップと同じく黒いレースのロリゴス系ブラウスを購入。私も始めてトップを1着買った。(食器やキッチン道具は買ったことがあったんですけど、服ははじめて買ったの。)全部で定価20ドルくらいのはずが、昨日は半額セール中だったので10ドルだった。


サチは、一目ぼれしてしまったパンツと靴も買いたかったのだが、パンツはきつすぎ、靴は大きすぎた。1品ものだからサイズが合わなければあきらめるしかない。

それにしても楽しいですよ、オプショップ。私達、病みつきです!


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2012年12月15日

日本語を教えていらっしゃる皆さんへ

オーストラリアにお住まいで日本語を教えていらっしゃる皆さんに、無料でお譲りしたいものが少しあります。

私が小学校で日本語を教えていたころに買っていた本や、もう不要になったそろばんとか書道セットなどです。私はもう日本語を教えていませんし、子ども達も大きくなって将来必要になるとは思えませんので、どなたかに役立てていただければうれしいのです。

郵便料金をご負担いただければ郵送いたします。リングウッドに取りに来ていただいても結構です。

我が家は引越し続きでして、つい最近も家賃の安い家に引っ越したのですが、とにかく大量の本があります。それらを少し処分しようと思い、「My Garage Sale」というウェブサイトを自作しました。その中の「日本語&日本文化関係」のページに無料アイテムがリストしてありますので、興味のある方はご覧ください。

無料ではない他のページのアイテムにも、お役に立てていただけそうな日本の子どもの歌のCDや絵本もあります。生徒さんのリーディングに使えるかもしれません。

ぜひご覧ください。

汗かいた日は寝る前にシャワーを浴びてください

私のブログによくコメントをくださるウォンバットさんが、先日文化比較学的見解をご自身のブログに書いておられた。勝手に一部抜粋させていただく。


もうひとつ驚いたこと、これはシャワーに関してですが、何で朝浴びる人が多いんですかね?

仕事して、汗だくだったりするじゃないですか、家に帰ってきたらさっぱりしたいと思うのが日本人でしょ?寝る前には必ず、シャワーなり風呂に入るでしょ?

それがオーストラリア人、夜はシャワー浴びないで、朝出勤前、朝起きたら、浴びる人が多いんです。ってことは、ベッドのシーツはどんなことになってるのさ? っておもうんです。 枕カバーどうなってるのさ?


ああ...私は耐えてきた。結婚以来、いや結婚以前に1年間一緒に住んでいたからもう20年近くも。

夫は、シャワーを朝浴びる...というか出かける前に浴びる。だから、出かける用事がなければ朝も浴びない。

大工仕事や農場仕事でよほど汚れていれば、そりゃ昼でも夜でもシャワーするけどね。

問題は、暑い日が多くなる季節!

当然汗をかくでしょう?でも、夫はほとんどの場合、風呂にも入らなければシャワーを浴びずにそのまま寝るの。顔も洗わないで。しかも、裸で!

身体を覆っている一日分の汗と脂は、当然シーツにしみ込む!枕カバーにしみ込む!だから、ベッドがすぐに臭くなる。せめて裸で寝るのをやめて欲しいのだけど、暑いからTシャツなど着たくないと言う。それどころか、私にも裸で寝ることをすすめるのだ。「きもちいいよー!」って。

一晩中暑いということはメルボルンではまれなことだから、気温が下がってくると裸で寝ている夫は寒いのだろう。布団に包まるようにして寝ている。だから掛け布団も臭くなる。

枕カバーは簡単に洗濯できるけれども、クイーンサイズのベッドカバーやマットレス・プロテクターやシーツの洗濯は面倒だ。我が家の洗濯機では、他の洗濯物もあることだし3杯分にはなる。

洗うのも面倒だが、これを干すのも取り付けるのも面倒だ。じゃあ、汚れて臭くなっているベッドで我慢して寝るか?臭いのは夫側の半分だけだけど、臭いは半分では止まってくれない。

だから、私は、仕方なく洗濯するわけ。

そして、仕事から帰ってきた夫は、清潔なサラッサラの気持ちの良いベッドに、汗と脂まみれのまま裸で横たわり、「ああ、気持ちがいい!」と声を上げるのよ。

以前、家族で日本に住んでいた時、義母とパートナーのロジャーが来日して我が家に泊まったことがある。ロジャーも夜にシャワーを浴びなかった。むし暑い日本の夏。お布団が臭くなるから寝る前にシャワーして欲しかったけど...。そして、ロジャーも裸で寝る。彼の場合はすっぽんぽんで寝る。日本の小さなマンションで、暑いから部屋のドアも開けっ放しで寝ていて、私は目を覆ったものだった。

文化の違いということで驚かされることはいろいろあるけれども、耐えがたい事の一つだな、これは!(洗剤で洗った食器をすすがないで泡が滴るまま乾かすっていうのは、もっと耐えがたいけど!)

ちなみに、私もオーストラリア生活が長くなり、今ではすっかり朝シャワー派です。でも、寝る前に必ず汗や汚れを落とさずにはいられないから、夜はクイックシャワー。冬場にはシャワーを浴びずに顔だけ洗って寝ることもあるけどね。

まあ、とにかく、清潔好きの私がいなければ、うちの夫は、汗と脂で黒ずみ悪臭を放つベッドで何週間でも寝るのだろうと思う。

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2012年12月14日

娘のサチが髪を染めたのだけど...

娘のサチが、この夏休みに最も楽しみにしていたことの一つが髪の毛を染めることだ。

学校の規則を守る主義のサチは、学校では髪の毛を染めることは禁止されているので、夏休みになったらすると決めていた。

学校は今日で終わった。サチは、家に帰ってくるなりおやつも食べずに髪染め作業に取りかかった。

彼女が先日買っておいた「ヘアカラー剤」は、染めた色が似合わなかった場合に備えて、8回シャンプーすると色が落ちるというタイプ。掃除のアルバイトでもらったお金で買った。親が生活のやりくりに苦労しているのでね、買ってくれとは一言も言わずに自分のお金で買うところがえらいですね。

さて、選んだ色は「リッチ・バーガンディー」という濃い目の赤色。もっと鮮やかな赤色や紫色も考えていたようだが、まず1回目はややおとなしい色を選んだ。

サチの髪の毛は、もともとは茶色である。毛先の方は色が抜けてブロンドになっている。幼い頃はうすい茶色とブロンドの色をしていたから、私が抱っこしていると決して母子には見えないのだった。

茶色は成長とともにだんだん濃くなってきた。

私は、茶色の髪の毛に赤ワイン色のようなカラーを塗っても色が付かないのではないかと疑っていたが、サチは1時間後には赤い髪の毛になれると思っているからもう一生懸命だ!

キッチンで晩ごはんの準備を始めていると、サチがやって来た。

「見て!」

頭を指差し、「がっくりきた!」というアクションを見せるサチ。

なるほど、髪の毛は色が濃くなったけれども全然赤色ではない。毛先のブロンドだったところは、よく見ると赤くなっているのだが...。

せっかくの投資が、ほぼ無駄になったようだ。

「やっぱり、髪の毛の色が濃い人は、まずブリーチして色を落としてからでないと赤や紫にはならないんじゃないの?」と、私は思う。

このブログをお読みの皆さんの中に、美容師か毛染めに詳しい方がいらっしゃったら、ぜひアドバイスをお願いします。

ヘアカラー剤は、様々なお店で手軽に手に入るけど、たくさんありすぎて選ぶのが難しいのですよね。サチは、安上がりにDIYでやりたいようですが、自分でやるのは無理なんでしょうか。

サチの髪の毛はとても細いです。


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2012年12月13日

着替えない息子

以前から、非常に気に障ってしょうがなくて、いつかブログに書いてやろうと思いながらも、そこはやはり理性が働いて「このようなことは書くべきでない」と思うから躊躇して書かなかったことがある。

16歳になったうちの息子。

アニメとゲームのことで頭の中はいっぱいで、話題もそれしかない。

その息子、とにかく服を着替えない。下着も着替えない。昨日今日と暑い日が続いているのに、シャワーも浴びないで、ずっと同じ服を着ている。夜はもちろんそれで寝ているのだ。

彼の衣類は洗濯にぜんぜん出てこない。私がガミガミ言わなければ、下着だって同じのをずっと着る。

皆さん、世のティーンエイジャー男子というのは、これが普通なのでしょうか?

ブタ小屋状態の彼の部屋の散らかり具合も、アニメとゲーム漬けのライフスタイルも、いつもブラインドを下ろして暗くしている部屋も、お母さんはもうどうでも良い。

でも、私、不潔なのは我慢ならないんです!臭いしね...。

ついつい、「服を着替えろ!シャワーを浴びろ!シャワーの後に汚れた下着を着るな!」とガミガミ言ってしまう私。

学校がある日は、もちろんシャワーは毎日浴びていたけど、下着なんて1週間くらい平気で着てました。

学校が夏休みに入ってからというもの、不潔を絵に描いたようになっている!そして、とっても臭い。

ああ...、清潔にしてよぉ!


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2012年12月12日

親バカの自慢話です

今晩は、子供達が通うハイスクールの「プレゼンテーション・ナイト」というイベントがあった。今帰ってきたところなのだが、家の中が暑いのでエアコンで涼みながらこれを書いている。

プレゼンテーション・ナイトについては、昨年も記事を書いたのでそれをお読みいただきたい。

年度末に学業で優秀な成績をおさめたとか、学校の活動において顕著な活躍をしたとかいう生徒を表彰したり、奨学金の受賞者などを発表したりするイベントなのだが、プレゼンテーションの合間にブラスバントや合唱グループおよび個人の生徒達による演奏や歌唱があり、もちろんたくさんのスピーチもあって、昨年も今年も2時間半の長丁場であった。

昨年は、息子のカイと娘のサチの両方にイベントへの招待状が来たのだが、サチは行きたくないと言うのでカイだけが出席した。ところが、ステージ上で賞状をもらうカイの表情がヘンテコだと思ったら、ナント賞状には、「あなたの賞状がなくなってしまったんです。できるだけ早く見つけて渡しますから許してね!」と書かれていたのだった、という話は昨年書いた。

学年が上がるにつれて成績優秀で表彰される生徒の数は減少する。今年10年生となったカイは、残念ながら受賞を逃したので、今年は娘のサチにだけ招待状が来た。

サチが今年は出席するというので、夫と二人で今年も行ってきたのだ。チケット代一人5ドルを払ってね。

7年生たちの表彰が終わり、いよいよサチたち8年生の番が来た。

学業で成績優秀というカテゴリーの「アカデミック・エクセレンス賞」の表彰が始まり、まず受賞する賞の数が6つの生徒達から名前を呼ばれた。サチは、3科目で受賞だと言っていたのだが、前期後期でそれぞれ独立したユニットとみなされるらしい。じゃあ、3科目かける2で6だろうと思ったら、サチの名前は呼ばれなかった。

次は7つ、8つ、9つ...。

サチの名前は呼ばれない。

「次は、10個の賞を受賞する生徒です」
先生が名前を呼ぶのだが、サチの名前が呼ばれない。

(おかしいなあ。「アカデミック・エクセレンス賞」の受賞ということだったのに、違うの?)
どうしてサチの名前が呼ばれないのかしらと少し心配しながら、もしかしたら...と期待が高まる。

「さて、次は11個の賞を受賞する生徒で、3人います」

一人名前が呼ばれた。そして、二人目、それがうちのサチだった。夫が隣で「オイッ」と小さくうなり私の腕をつかんだ!びっくりするやら、誇らしいやら...。

サチが受賞したのは、英語2つ、フランス語2つ、科学2つ、数学、演劇、美術、保健衛生、家庭科の11個。

家では勉強をしている姿を見ることはめったにないし、夫も私も「勉強しろ」とか「宿題をしろ」とか言うこともない「ほったらかし主義」の両親だけど、ちゃんと頑張っていたんだなあ。

ステージでは、むっつりとまるで怒っているような顔のサチだったが、家に戻ると兄であるカイの部屋まで走って行き、バーン!とドアを開けるなり「11個よ!」とうれしそうに自慢していた!

小学校では繰り下がりのある引き算でつまづき、九九がなかなか覚えられず、割り算で苦労しまくった。英語のスペリングも読解もスピーチも、本当に苦労した。(ああ、この子はお勉強の方はあれだな...)と思っていたあの頃とは、まるで別人です!

というわけで、今日は親バカの自慢話となりました。


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2012年12月11日

映画「ホビット」とリチャード・アーミティッジ

今日、義母から電話があり、私達のために映画「ホビット」の家族用チケットを買ってあげたから、自分達でチケットを買うなとのことだった。ありがたいことだ。

オーストラリアでは、クリスマス翌日のボクシング・デーに公開となるピーター・ジャクソン監督の「ホビット」は、私達家族全員が本当に楽しみにしている。

夫と子供たちは本を読んでおり、さほど長くはないストーリーを三部作にするという点に関して彼らはやや批判的だが、私は本を読んだことがなくてどんな話か詳細は知らないし、予告編を見てからというもの期待は高まる一方である。



私が映画「ホビット」を楽しみにしている最大の理由というのは、実は私の好きな俳優リチャード・アーミティッジが出演しているからなのだ。

このリチャード・アーミティッジという英国人は、BBCの人気ドラマ「The Vicar of Dibley」(ディブリー村の牧師という意味)で、ドーン・フレンチ扮する村の女性牧師がシリーズの最後の最後に結婚したハンサムな会計士ハリー・ケネディ役だった。

190センチ近い長身で、知的な美形で、ブリティッシュアクセントの英語をソフトに話す、その誠実でカッコイイ会計士ハリーに、私はすっかりやられてしまった。それ以来、ずっと彼のファンであります。

「The Vicar of Dibley」のハリー・ケネディ

「North & South」のジョン・ソーントン...カッコイイ!

その彼が「ホビット」に出演すると知ったのは、もうずいぶん前のこと。しかも、ドワーフの王トーリン・オーケンシールド役と聞いてびっくり仰天!

ドワーフと聞けば、すぐに「ロード・オブ・ザ・リング」のギムリを思い浮かべるではないですか!

あんな美形のリチャード・アーミティッジがギムリみたいになれるの?しかも、彼のようにすらりと長身の人をいかにしてドワーフに?

予告編やポスターを見て、もう驚きましたよ!ほらこれ、とてもリチャード・アーミティッジとはわからないでしょ?

「ホビット」のトーリン・オーケンシールド

メークと衣装ですっかりドワーフ化していますが、王の威厳がにじみ出ているではありませんか!

ああ、早く見たい!


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2012年12月10日

危険!iPhone「マップ」

アップルはiOS6から地図アプリを変更した。Googleとのライセンス契約を打ち切り、大幅に退化した自前の「マップ」を導入したのだが、このアップル自前「マップ」のすっきりしていること!スカスカである!

情報量が少なく、地図データは貧弱で不正確、誤りが多くて使いにくいときて、世界中のユーザーから非難の嵐となったのは皆さんご存知のとおり。

アップルのCEOは、不出来な「マップ」を謝罪して、ユーザーに他社製品の使用をすすめるという笑い話になった。

iPhoneの「マップ」をカーナビ代わりに使用する人は多い。今時、紙製の地図を見ながら目的地を目指すという人は少数派であろう。私も、自分の車にカーナビを持っていないので、よく知らない道を運転する時にはiPhoneの「マップ」を頼りにしていた。「頼りにしていた」と過去形なのは、アップル自前「マップ」になってからは、ほとんど使っていないからだ。

ああ、iOSをアップグレードするんじゃなかった...。

ところで、オーストラリアにお住まいの皆様、そして旅行をご計画の皆様。ヴィクトリア州警察から警告が出ています!

南オーストラリアのアデレード方面からミルデューラへ車で旅行する方は、iPhoneのアップル製「マップ」を使用しないでください!大変危険です。

ヴィクトリア州警察は、過去2ヶ月間で6人の旅行者を、ミルデューラの南西に位置するマレー・サンセット国立公園内で道に迷っているところを救助している。

彼らは、いずれもアデレード方面からiPhoneの「マップ」を頼りにミルデューラを目指していた旅行者だった。iPhoneの「マップ」通りに進むと、とんでもない荒野に迷い込んでしまい、命が危険なのである。




国立公園内で道に迷うといっても、日本の国立公園で道に迷うのとはわけが違う。このマレー・サンセット国立公園は、私の故郷岡山県の広さにも匹敵する広大さであって、人家から遠く離れ、荒地が広がるこの地域は、夏には気温が軽く50度を超えることも度々なのである。

つい先日、ミルデューラは最高気温が45度を越えた。百葉箱の中の気温が45度を超えれば、日なたの気温はどうなる?車の中は?

こんな所で道に迷ったら、そう簡単には出てこれませんよ。

救助された人の中には、車のタイヤがこの赤い土(乾くとサラサラ、ぬれるとドロドロ)にはまって動けなくなり、灼熱の太陽の下、エアコンも切って5時間も車を動かそうと格闘したという人もいました。

怖いー!皆さん、気をつけてね!


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2012年12月9日

入れ墨したい?

近年、オーストラリアでは入れ墨が大流行である。「入れ墨」と言うと、どうも日本人にとっては暴力団関係者の象徴としてのあまりよろしくない印象がつきまとうので、「タトゥー」と呼んだほうがよいだろう。

あらゆる街にタトゥーショップがあり、おおむね若い世代の男女が気軽に彫り物で身体を装飾することを楽しんでいるようである。

小さなポイントタトゥーや見えない場所にこっそり彫ったプチタトゥーというのは過去のものらしく、今時は肩や背中や腕や脚に大きく広く彫り込んだ絵柄やパターンを、皆さん堂々と見せている。

時々、目を奪われるような見事なタトゥーを見ることもある。

以前荷物を届けてくれた配達の男性のタトゥーは、素晴らしく芸術的だった。その人は、ニュージーランドから移民してきたマオリの男性で、彼のタトゥーは一族や家族のことを表す伝統的な図柄だとのことだった。それを首の辺りから肩と腕にかけて、魚の骨を使った伝統的な方法で彫ったものだと教えてくれた。大変誇りにしている様子だった。

そのような民族の文化としてのタトゥーとは別に、近頃オーストラリアで大流行なのは、ファッションとしてのタトゥーである。マオリの伝統的なタトゥーのデザインも人気なんだそうだ。マオリとは関係ない人たちが、ただファッションとしてマオリの図柄を彫るというのは、いかがなものか...。

マオリ伝統のタトゥー「モコ」の例

さあて、ここからが今日の本題!

娘のサチは、現在14歳。ゴスファッションと不気味&恐ろしげ系カルチャーにますます傾倒するサチだが、タトゥーにも大いに興味がある。

先日、プライスラインというお店でシールになったタトゥーを買い、左肩と足首に念願のタトゥーを入れた。もちろん、皆さんよくご存知の「水で濡らして貼り付けるタイプ」のものだから、だんだん剥がれて来ていつかは取れる...はずなのだけど、近頃の商品は品質もよろしいようで2週間以上たってもきれいなままだ。

これが、サチの左肩のタトゥー。


ところが、昨晩のこと。夕食の後に、サチと夫がなにやら話し込んでいる。耳を澄まして聞いていると、タトゥーの話をしている。タトゥーの仕組み、いかにして皮膚に永久的に色をつけるか、避けるべきタトゥー、タトゥーをいれた場合の問題点...。

(なんで、そんな話をしているの?まさか...)

キッチンで洗い物をしながら聞いていると、サチが私のところにやって来た。

「じゃあ、お母さんはどう思うの?タトゥーを入れることについて」

(きたーぁ!)

なぜかパニックる私。なんだか、避けたかった話題がついに持ち上がってしまったという感じのショックで狼狽する...。

つまり、私の心の奥底の本音として、「娘にタトゥーを入れて欲しくない」という気持ちがあったということなんですね。

ああ、しかし、娘の人生は彼女が好きなように生きていけばよいとも思うから、ここは冷静に、本音は本音として私の気持ちを話し、様々な異なるカルチャーにおいて入れ墨をしていることのハンディキャップや問題点もちゃんと理解した上で決めてもらいたいと話しました。

まだ14歳だから、入れ墨をすると決めたところでまだ実際にはできませんから。

あぁ...こりゃぁ、そのうち鼻輪や舌ピアスをやりたいと言い始めるんじゃないかと思うと、お母さんは複雑です...。


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2012年12月8日

イタズラ電話で死者が出た

引越しする前の我が家の電話番号は、987654...と覚えやすいのはいいけれど、いたずらには最適の番号であったので、しょっちゅういたずら電話がかかってきた。

Prank Call プランクコールと呼ばれるイタズラ電話は、オーストラリアでは「ある意味許されているこどもの文化」でもあるかのように、夫や友人などは「しょうがないなあ...」と笑って見逃す態度であった。

イタズラ電話をしてくるのはもっぱら子供で、カーペットクリーニングのセールを装ったり、わいせつ系ももちろん多いし、イタズラ電話の内容も結構クリエイティブであって、時には愉快に感じることもあった。

ラジオ番組でDJがイタズラ電話をかけ、電話に出た人の対応を面白がるというのもよくある。

日本でも、「どっきりカメラ」というのがあった。いたずらを仕掛けた相手が驚愕したり驚喜したりするのを面白がる番組で、私は大嫌いであった。

先日、シドニーの2Day FMという人気ラジオ局のDJが、重いつわりで入院していた英国のキャサリン妃のいる病院にエリザベス女王とチャールズ皇太子になりすまして偽電話をかけ、キャサリン妃の容態を聞きだそうとする事件があった。

電話に出た女性看護師は、偽電話と気づかず病棟につないでしまい、DJたちは病棟の看護師から妃の容態を聞きだすことに成功した。

最初に電話に出て、病棟につないでしまった看護師が自殺したというニュースは、もう皆さんご存知だろう。そのため、偽電話をかけた二人のDJは、現在オーストラリアと英国はもちろんのこと、ツイッターやフェイスブックを通して世界中から非難中傷をあびている。

偽電話をかけたDJの二人

しかし、非難するなら二人のDJ以上にラジオ局のディレクターや管理職も非難されるべきだ。

2Day FMは、看護師の女性自殺のニュースの後も、その偽電話の録音音声をラジオで流し続けていた。リスナーの獲得!聴取率のアップ!より多くの広告収入!さらに大きな利益!

そう、すべては金儲けが目的なのである。

偽電話やイタズラ電話は、オーストラリアのラジオ局ではしょっちゅうやっている。オーストラリアの人気コンビ「ヘイミッシュ&アンディ」のラジオ番組でも、恒例のいたずら電話コーナーがあって、こういうのが嫌いな私は聞いていてむかつくのだ。

こどものイタズラ電話ではなく大人による金儲けのためのイタズラ電話の文化そのものが批判されるべきなんじゃないの?


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2012年12月7日

高齢ドライバー

最近、続けて事故に合いかけた。

私は、もともと安全運転主義だし、これまで全部で6回も車にはねられたりぶつかったりしたいるせいで非常に慎重運転ドライバーなので、私の方に過失はない。

1回目は、ラウンドアバウトと呼ばれる円形交差点でぶつかりそうになった。

私の車がすでにラウンドアバウトの環状道路に侵入しているにもかかわらず、左側の道路からスピードを落とすこともなく突入してきた車にぶつかりそうになったのだ。

右側の私が優先であるのだから、その人は停止して私を先に行かせなくてはならないのに!

私は急ブレーキをかけた。するとその車も急ブレーキをかけて環状道路への進入中に止まったものだから、まさに衝突は避けられない状況となった。ところが、私はいつも指定速度を下回る運転をしているものだから、急ブレーキで何とかギリギリのところで止まることができた。

相手は、ヨボヨボ(と表現しては申し訳ないけど...)のおじいさんだった。私の車が見えなかったのか?判断を誤ったか?

2回目は、ショッピングセンターの駐車場の外でぶつけられそうになった。超・超・超ノロノロ運転の車が、方向指示器も出さずに、他のたくさんの車を止めながら駐車場から出ようとしていた。

この慎重運転の私ですらイライラくる迷惑運転であったが、外の2車線道路に出かけたところで「パッパー」っとクラクションを鳴らし暴走運転で追い越しをかけたイライラ車があった。

若いお兄ちゃんだった。そのお兄ちゃんがスピードを出して進入した車線を後ろからやって来た車がお兄ちゃん車にぶつかりそうになった。お兄ちゃん車は無理やり車線変更した。ちょうどそこに私がいたのだ。

きわどい運転でどの車にもぶつからず、お兄ちゃん車はものすごいスピードで行ってしまった。

イライラの原因を作ったノロノロ車は、周囲をかまわず相変わらずマイペースで進んで行って、信号のところで止まったので、どんな人が運転しているのか見てやろうと思ったら、90歳は過ぎているだろうと思われる白髪のおばあさんだった。

3回目は、近くのガソリンスタントへ行こうとしていた時だった。私は交通量の比較的多い道を直進していた。左手には、Club Ringwoodというバーやレストランの入った、ギャンブル遊びもできる娯楽施設があった。

その駐車場の手前に差しかかった時、反対車線を向こうからやってきた車がいきなり右折!つまり、私の目の前を曲がったのだ。そして、その娯楽施設の駐車場に入って行った。

急ブレーキを踏まなければぶつかっていただろう。そして、その急ブレーキのせいで、もしも私の後続車との車間距離が小さければ、追突されていたかもしれない!

「F***ing hell! 危ないじゃないのー!」

さすがに、私も車の中から怒鳴った!

見ると、確実に80歳は超えているシワシワのおじいさんだった。おじいさんの車は、ぶつけた痕がいっぱいで車体がボコボコだった。

ヴィクトリア州では、運転免許の更新に、視力検査とか運動能力検査とか判断力の検査とか、そういうものは一切ない。高齢者に運転試験を義務付けている州もあるらしいが、ヴィクトリア州では自分が運転できると思っている間は、運転することができる。

内緒の話だが、私の義母は目の病気で視力が落ち、人の顔を識別することも困難になってもまだ運転していた。医者には運転を止めるように言われていたが、スーパーへの買い物や友人の家へ行くなど、良く知っている道は大丈夫と言って...。さすがに現在は運転していないが、ほとんど見えない状態で運転していた頃があるのだ。

「Pプレート」(初心者マークのようなもの)の若いお兄ちゃんドライバーが危ないのは誰もが知るところだが、高齢ドライバーにも要注意です!


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2012年12月6日

猛暑のち雪のち猛暑

気温が激しく変わるメルボルンの天気については、これまで度々このブログでも書いてきたが、先週は暑かった。

メルボルンでも金曜日は気温が39度になって、暑いのが苦手な私はエアコンのおかげで何とか生き延びたが、涼しいのは居間兼オフィスのこの部屋だけだから、家の中でも一番奥にある私達夫婦の寝室は暑いのなんの。扇風機を回して何とか眠ったのだった。

その日、夫は仕事でメルボルンにはいなかった。夫がいたのは、ミルデューラというヴィクトリア州の北西にある街で、金曜日のミルデューラの気温は45度を超えたそうだ。

こうした熱波による猛暑は、通常長続きはしない。

北から熱気を送り込む高気圧が東に移動すると、風向きは南風に変わる。「南風」のイメージは、日本人にとってはトロピカルな暖かい風のイメージだが、メルボルンにおける南風は、南極から吹いてくるんだから冷たい。

一気に気温が下がって涼しくなり、過ごしやすくなる。この気温の変化を「クールチェンジ」と呼ぶ。猛暑の日には、クールチェンジ何時ごろやって来るかお天気キャスターたちが教えてくれるので、それを楽しみに何とか暑さに耐える私なのだ。

先週末の猛暑の後には、いつものようにクールチェンジがやって来た。

ところが、このクールチェンジが涼しいを通り越して寒いチェンジだった。

真夏の服装から、冬服へ!私達家族は、フリースのジャケットを着込み、朝はヒーターをつけようかと思うほどであった。

「ずいぶん冷え込むなあ」と思ったら、山の方は大雪となり、雪だるまがつくれるほど積もったそうだ。

夏なのに...。

そして、また明日から暑くなる。土曜日の気温は、37度の予想だからまたエアコンがフル稼働の日となりそう。

こういうのにすっかり慣れた今では、身体もちゃんと適応しているけれども、オーストラリアに来て間もない頃は、「なによぉ、この天気は!」と本当に焦った。身体の方もついていけず、しょっちゅう風邪をひいていた。

この冬休みにメルボルンに旅行される方、メルボルンは夏だと思ってはいけません。一年中、「春夏秋冬」なのですよ。

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2012年12月3日

手術まで半年待ち?

6年ほど前になるが、ある日、左の肩にぷっくりとしたコブができているのに気づいた。痛みはなく、触るとグリグリしていた。

気になるので、GPに診てもらい超音波の検査をしたところ、コブは脂肪腫という良性の腫瘍で気にする必要はないといわれた。

気にするなといわれても、左肩にできているからノースリーブを着たら丸見えだ。

手術で取り除いて欲しいというと、当時の私のGPであったクンツ先生(この人がまた、常識を逸した偏屈者で、必要なこと以外一切しゃべらず笑顔も見せない医者失格モノ!)が、「頻繁に動かす肩を切ったりしたら、傷口はどうしても開いてしまって大きくなりやすい。コブがあるよりも見苦しくなるぞ!」と脅すので、私は手術をあきらめた。

その左肩のコブは、少しずつだが大きくなってきて、直径はあまり変わらないのだが盛り上がってきて、最近では服の上からでも分かるようになった。

娘のサチは、私の肩のコブをとても気持ち悪がって目をそむける。

もっと大きくなれば、それだけ手術をしたときの傷も大きくなるし、ダメージも大きくなる。いつも診てもらっているヒル先生に相談したところ、手術で取り除くことに賛成してくれた。というか、私が取り除きたいならそうすればいいという感じ。

私は民間の医療保険に加入していないので、私立の病院で手術を受ける経済力はない。当然、公立の病院で手術を受けることになる。

ヒル先生は、我が家から程近いマルンダ病院(Maroondah Hospital)に書類を送ってくれ、病院から予約日の連絡を待つようにと言った。

つまり、病院に電話を入れて、都合の良い日を考慮しつつ予約日を決めるというのではなくて、病院が予約日を連絡してくるのを待てとのことだ。チョイスは無いわけか、公立だからな。

そして、待つこと久しく、今日ついに病院から手紙が来た。

整形外科医の診察日の予約、2013年6月28日、午前9時。

半年以上先じゃないか!

ああ、オーストラリアの公立病院では、このように命にかかわる病気でない場合、とにかく待たされるのですよ。一年も待たされることもあるそうです。(命にかかわる病気でも待たされますので、ガンなどはその間に進行します。)

まあ、無料でやってもらうんだから、見た目が悪いからコブを取ってほしいなどという私のようなケースでは半年待たされても文句は言えない。

オーストラリアの公立病院は無料というのは本当なんですよ。

息子と娘を出産した時にも支払いはゼロだったし、手根管症候群の手術をした時も、2回とも支払いはゼロだった。夫が手の手術をした時も、娘のサチがぜんそくの発作で救急外来へ運ばれて3日間入院した時も、支払いはゼロだった。食事代くらいは取られるのかと思っていたけど、すべて無料だったの。

このようなサービスを受けられるのなら、私はよろこんで税金を払います。


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2012年12月1日

たばこのプレーン・パッケージ

たばこのパッケージを厳しく規制する新しい法律がついに発効した。12月1日の今日より、たばこを販売する店の棚に並ぶのは、すべて法律によって規制されたPlain プレーンなデザインの箱である。

この法律成立へ経緯は、以前「世界初たばこパッケージの厳格規制」という記事に少し書いたことがあるのでそちらをお読みください。

「Plain」という言葉は、「無地の、質素な、飾りのない」というような意味だが、今日から統一されたたばこの箱は無地ではない。

箱の大きさ、色、デザインはすべて決まっており、たばこ会社は自社のロゴもマークも入れることが許されない。箱の基調となる色は、調査の結果喫煙者に最も人気がなかった濁ったカーキ色で、たばこ会社の社名と商品名だけが、決められた色、書体、サイズの文字で決められた場所に入れることが許される。

そして、最もすごいのは、喫煙が健康に及ぼす害について非常に強烈なインパクトのある写真が警告付きで大きく印刷されていること!ちょっといくつかご覧ください。



このような恐ろしげな写真と警告メッセージつきの箱に入ったたばこを20ドルも出して買い、警告メッセージを見てもなおこれを吸い、その有害と知っている煙を肺に吸い込んで美味しいと思うのだろうか、喫煙者の皆さんは...。

テレビでは禁煙を勧めるありとあらゆるタイプのキャンペーンが、毎日放送されている。もちろん、オーストラリアではたばこのTVコマーシャルも雑誌広告もすべて禁止されている。

現在1箱20ドル近くもする高額なたばこだが、更なる課税率の引き上げも考えられる。税率70%越えとなれば価格はさらに上がる。

規制はさらに厳しくなり、たばこを吸ってもよい場所というのが本当に限られてきている。

タスマニア州では、2000年以降に生まれた人たち、すなわち次世代へのたばこの販売を禁止する法律をつくろうとしている。

過去10数年間、喫煙率がどんどん下がってきているオーストラリアだが、このパッケージ規制とたばこ税引き上げで、喫煙者の減少がさらに加速して欲しいものだ。


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