2024年4月25日

初めて行った回転寿司

回転寿司は、もちろん日本では行ったことがありますけど、オーストラリアでは行ったことがなかったんです。

何年か前にメルボルンで初めて回転寿司の店を見た時には、オーストラリアの寿司もここまで来たかと感慨深かったものですが、私が住んでいる地域には最近まで無かったのですよ。

寿司ロールを売る店は、どのショッピングセンターにもあります。

私がオーストラリアに来た頃は、寿司と言えば「生の魚!ゲロゲロー!」というひどい反応で、日本食レストランに行くか自分で作る以外には食べる方法が無かったですけど、海苔すら手に入れるためには遠くの日本食材店まで行く必要がありました。

寿司ロールの店が増えて来た頃は、見かけると思わず買って食べていましたけどね、長粒米を茹でたのを酸っぱく味付けしたので巻いた不味くて食べられないようなひどいのを売っている店もありましたよ。

今では寿司ロールを売る店はいたるところにありますから気軽に買って食べられるんですけど、私は滅多に買うことは無くなりました。

メルボルンでは物価が暴上がりしておりましてね、太巻きより少し細めの巻き寿司を半分に切ったのが1個5ドル近くもするのです。

ですから、私はお寿司が食べたくなったら家で作ります。はるかに安上がりだし、晩ご飯が手巻き寿司やちらし寿司だと家族が喜びますから。

回転寿司のお店は少しずつ増えて、何年か前にイーストランドというショッピングセンターに「寿司次郎」というお店がオープンしたんですが、私は行ったことがありませんでした。

ところが、一昨日うちの夫と友人のCさんが映画を見に行くと言うので私も一緒に行くことになり、映画は6時からで夫が仕事から帰って来てから行ったので、映画の前に腹ごしらえをしようということになって、お店に入ってすぐに食べられる回転寿司に行ったのですよ。

オーストラリアでは、回転寿司はスシ・トレイン(Sushi Train)と呼ばれます。寿司次郎の入り口には「1皿4ドル20セントから」と書いてありました。

それって、一番安い1皿が4ドル20セントですからね、平均価格は1皿5〜6ドルだろうと思いました。それって1皿5〜6百円ということですから、回転寿司の値段としては高いですよね?

すでにたくさんの寿司が回転していたので、カウンターに座ってすぐに食べられるはずでした。

ところが…


私はね、マグロとかハマチとか鮭とか、普通の握りが食べたかったんですけど、回転しているのはどれもどれも激しく装飾されていて、マヨネーズやソースがかかっているんです。

うちの夫やCさんは、そういうやつを醤油にジャブジャブつけて食べるんですから、それは寿司じゃあないのよ!

私は迷いに迷ってあぶった鮭が乗ったのを取りました。ひとくち食べたら、

うわっ!何だこれ!

中にクリームチーズが入っていたんです。

不味くはないんですよ。寿司飯には、マヨネーズもテリヤキソースもトンカツソースもクリームチーズも合うんです。でも私が食べたいのはそういうのじゃあないの。

回転してくる寿司を見続けて、私が食べたい普通の握りは来ないと分かりましたので、マヨネーズが付いていないアナゴとクリームチーズが入っていないあぶった鮭を食べました。

オーストラリアでは、ああいうのが人気なんでしょうかね。

注文すれば私が食べたかった普通の握りを作ってくれたのでしょうけど、時間がなかったですから回転していたのだけを取って食べました。

いやあ、「また行きたい!」とは思わなかったです。

寿司はああいう食べ物と思っているオーストラリア人が日本へ旅行して、新鮮な魚で作られたホンモノの寿司を食べて感激する理由が分かりますね。


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2024年4月24日

心理セラピストへの長い道のり

このブログは、日本にいる私の家族に我が家の近況を報告する意味もありますので、今日はうちの娘の次の研修先が決まったことを書こうと思います。

現在大学院2年目の娘ですが、前期はある公立病院のリハビリテーション科で研修をしているんですが、実際にどんなことをしているかと言いますと患者さんへの心理カウンセリングをしているんです。
 
学生ですから報酬はありません。カウンセリングは一人で行いますが、監督者であるベテラン臨床心理士の指導を受けながら行っています。

後期の研修先が決まっていなかったんですが、やっと司法精神医療施設で研修をすることが決まったんです。

刑務所で犯罪者を相手にする仕事になると聞いていたんですが、刑務所ではありません。オーストラリアには「フォレンジック・ディサビリティー・サービス」(Forensic Disability Services)と呼ばれるものがありまして、刑事司法制度に関わる事件を起こした人々の中で精神障害や重篤なメンタルヘルスの問題がある人達にサポートと治療を提供する様々なサービスが含まれます。

重大な他害行為を行った犯罪者が犯行時に心神喪失状態だったという話を皆さんも聞いたことがおありでしょう。

犯罪者に精神障害があった場合には、責任能力がなかったとされて罪を問われず、代わりに医療施設で強制的に入院治療を受けさせる場合がありますよね。そうすることで犯罪の再発を防止し、犯罪を犯した者の社会復帰を促すわけですけど。

これを悪用する犯罪者もいるんですよ!

精神障害や犯行時の心神喪失状態を偽って罪を逃れようとするとか、刑務所ではなくて医療施設に入院することを企むとかね。

「カッコーの巣の上で」という映画がありましたけど、あの映画の主人公は刑務所の強制的な労働から逃れるために精神障害を偽って病院に入るわけですけど、ああいう人達がいるのですよ。

犯罪を犯した人々が、本当に精神障害があるのか偽装しているのか、精神障害は責任能力を問えないほど重症なのか。娘がすることになったのは、こういうことを判断する精神鑑定の仕事だそうです。

娘が将来やりたいと思っている仕事とは違います。娘は心的外傷体験(トラウマ)による心の問題を抱えた人を治療する心理セラピストになるのを目指しているそうですから。

大学に入ってから今年で8年目。大学院に入るために就労経験が必要だったので2年間は働いていますから8年もかかっているんです。

今年無事に大学院を卒業できたら、来年から2年間は実務経験を積むために再び指導を受けながら心理セラピストとして働きます。その間は低給料だそうですが給料はもらえますから、レストランでアルバイトをする必要はなくなります。

その2年間が終わったらやっと一人前になるんだそうですからね、10年がかりなのですよ。

頑張っています。


経済的には苦労していますが、アルバイトをしているレストラン・カフェで残った食べ物をもらえるので食費がほとんどかからない暮らしだそうですよ。

「ダンプスター・ダイビング」というのもやっていますしね。スーパーの業務用ゴミ廃棄コンテナからまだ食べられるのに廃棄された食品を勝手にもらって来るというやつです。

親からの経済的な支援ゼロでこれまでやって来たわけですから大したもんだと思いますし、そういうことができたのもオーストラリアの教育の仕組みのおかげです。

そして、何度も話題にして来ましたけど、娘は大学生になった頃はパニック障害で家から出ることが困難だったわけですよ。

大学まで行くだけで大変な苦労をしたわけですけど、あの状態からここまで変わったというのは、同じようなメンタルヘルスの問題で苦労されている皆さんには大きな励みになると思います。

こういう体験をして来たからこそ、娘は心理セラピストになって心の問題を抱えている人達の回復を助けたいと思っているわけです。回復できると知っているから。

ホントによく頑張っていますよ。


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2024年4月23日

夫婦そろって筋肉痛

うちの夫は、ここ数日全身の筋肉痛に苦しめられていましたが、今日もまだ痛いそうです。

先週の金曜日に起こした泥棒の襲撃事件のせいです。

勤めているツールショップから盗まれた商品を取り返し、盗んだ泥棒を捕まえるため、うちの夫は金曜日の勤務時間後にスタッフ数人と泥棒を捕まえに行ったのですよ。

スタッフ3人がそれぞれの車で泥棒が乗っていた車の動きを封じ、出てきた泥棒をうちの夫が後ろから羽交い締めにして地面に倒したそうですが、襲いかかった瞬間にはものすごい力を出しているわけで。

若い泥棒は逃げようと暴れますからね、警察がやって来るまでの15分間は相当な力を出し続ける必要があったそうです。

日頃身体を鍛えていないオジサンが、準備体操もせずに突然そういうことをやって、普段は使わない筋肉も使って渾身の力を振り絞ったわけですから、筋肉痛になるのは当然ですね。

痛みは翌日の土曜日よりも日曜日の方がきつそうで、その日は仕事でしたからホントにへたばる寸前でしたけど、今日もまだ痛いんだそうですよ。

暴れる泥棒を殴った右手も痛いそうです。

映画やドラマでは拳で殴り合うシーンがよくありますけどね、ああいうことをもしも本当にしたら手は大変なことになると言っていましたよ。


一方、この私はもちろん襲撃には参加していないんですけど、スーパーのショッピングカートの車輪の調子が悪いのに、それを無理して使っていたら左の腰の後ろをピシッとやってしまいまして、それがなかなか良くなりません。

痛くて寝返りもうてない有り様で、昨夜も寝る前に痛み止めを飲みましたけど、夫婦そろって「アイタタタ…」とうなりながら、歳を取ったなあと笑っています。

夫も私も、もう少し身体を鍛えないといけません。

それと、やっぱりねえ、泥棒を襲撃したりするのはこれを最後にした方がいいですよ。泥棒はナイフを持っていたんですからね、刺されていたら筋肉痛ではすまなかったです。


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2024年4月22日

思い出の家の取り壊し

私がオーストラリアに移民して最初に住んだ家は、うちの夫が当時住んでいた小さなコテッジでした。

義母(夫の母親)の家の敷地内にある木造の小さな古い家で、コテッジと呼ばれていました。

部屋が2つと小さなキッチンとバスルームがあるだけのおんぼろコテッジを、その頃パニック障害で仕事が出来なくなっていた夫がリフォームし始めたところでした。私も一緒に住み始めてからは本格的なリフォームになりました。

出入り口となるドアの上には屋根もなく、雨の日には不便なので玄関を作りました。玄関の周りにはツツジを植えました。

家の中の壁を新しくしてペンキを塗り替えたり、バスルームをリフォームしてタイルを自分達で張ったり、キッチンの外にウッドデッキを作ったりして暮らしやすくしました。

私達は、そのコテッジのキッチンで結婚式を上げたんですよ。

牧場の丘の上で結婚式をするつもりだったんですけど嵐が来ましてね、仕方がないから狭いキッチンに家族や友人達が肩を寄せ合って集まり、そこで結婚式をしたんです。

息子が生まれることが分かった時には、増築して家を広くしました。作業はうちの夫が全部一人でやったので、私も出来るだけ作業を手伝いました。だからすべての場所に思い出があるんです。

その後、娘が生まれることが分かった時には、さらに増築して私達夫婦の寝室やオフィスも作ったんですけど、この時は建て増した部分が2階建てでしたからプロの大工さんに手伝ってもらいました。

その時に日本式のお風呂も作ったんですよ。浴槽を取り寄せて作りました。脱衣室付きで、家族4人で一緒に入れる広さの本格的な日本式のお風呂でした。

いろいろ事情があって私達がその家から引っ越した後は賃貸に出されていたんですが、10年前からは義弟(夫の弟)の家族が住んでいます。

海外に住んでいた義弟家族がオーストラリアに戻って来て、この家に住むことになった時には私は嬉しかったんですよ。

当然家族付き合いをすると思っていましたからね、この懐かしい家に食事に呼んでもらうこともあるだろうし、その時にはお風呂に入らせてもらえるだろうと期待していたんです。

しかし、そういうことは一度も起きませんでした。

今ではもうはっきりと分かっていますけど、義弟のスペイン人の奥さんは私達が好きではないのです。もっとはっきり言うと、私が好きではないのです。彼女は好きではない人とは、たとえ家族でも付き合いたくないのです。

私達が食事に呼んでも来なかったですからね、彼女が私達を食事に呼んでくれたりするわけがないのですよ。

今年の1月に初めて義弟がパエリアをご馳走してくれると言うので行ったんですけど、奥さんからは歓迎されていないことは分かりました。

何度も犬の世話をしてあげた私に義弟はお礼をしたかったはずなんですけど、奥さんは仕方がないから嫌々もてなしてくれていると分かるのでね、私は居心地が悪かったです。

義弟のことはとても好きなんですけど、家族付き合いが出来ないのは残念なことですよ。

それはともかく、

私達がリフォームして増築した古いコテッジですが、義弟達が住み始めてからはスペイン人の奥さんの好みに真っ白のペンキで塗られ、同じ家とは思えないように装飾されていたんですけど、先日取り壊されたそうです。

最後に建て増した2階建ての部分以外はすべて取り壊されて何も無くなり、これからその場所に彼等の好みの家を建てるんだそうです。

私達にとっては特別なものだった日本式のお風呂は、ずっと使われていなかったそうですが、取り壊す前にせめて一度でもお風呂に入らせて欲しいという私の願いもむなしく消えて無くなりました。


正直言って、もうどうでもいいと思っていましたけど、取り壊されて全て捨てられたと聞いて、少し寂しい気持ちになりました。思い出は心の中に残ってはいるんですけどね。

うちの夫は、とても残念な気持ちになっているようです。

何年もかけて、大いに苦労しながら、パニック障害が治ってからは仕事と両立させながら、こつこつと一人で建てた家ですからね。それをあっけなく壊されたのですから、私以上に寂しい気持ちなのかもしれません。

板を切ったことや、釘を叩いたことや、ペンキを塗ったことや、タイルを張ったことや、そういう作業の思い出とともに、うちの子供達が生まれた時のこと、赤ちゃんの頃のこと、初めて歩いた時のこと、幼かった頃の出来事がいろいろと思い出されます。

家の周りには私達が植えた木もたくさんあったんですけど、家を取り壊したのなら木も無くなったでしょう。木の一本一本にも思い出がありました。どこに買いに行ったとか、誰にもらったとか。

人生の一部が消えたような気分です。


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2024年4月21日

警察が出来ることにも限界が

うちの夫が勤めるツールショップから盗んだ商品をフェイスブックのマーケットプレースで売りに出した泥棒の話ですが、盗まれた商品のほとんどを取り戻し、泥棒は警察に逮捕されたわけなんですけど。

被害額は結構な額だったそうなんですが、それを取り戻すためにお店のスタッフが犯人を見つけ出して自分達で捕まえるなんてことは、被害がいくら大きくても普通はしません。

詳しいことはここに書けないんですけどね、今回はそこまでする理由があったのです。

詳細は昨日の記事を読んでいただくとして。

捕まえたのは、商品引き渡し場所でした。泥棒がマーケットプレースで売りに出した商品の購入希望者を装ったスタッフのBさんが泥棒とのやり取りで決めた場所で、ある商業施設の駐車場だったんです。

駐車場のすぐ横にはパブがありました。オーストラリアのパブというのは、お酒を飲むいわゆるパブとレストランが併設されていますが、賭け事を楽しむカジノみたいな施設も同じ建物内にあることが多いです。

金曜日の夕方でしたから、お客さんが大勢来ていました。

こういう場所には必ず警備員がいます。すぐ隣りの駐車場で男が集団に襲われて地面に押さえつけられているという状況は、お客さん達の注目を集めないはずがありません。

事件が起きているということで、すぐに警備員が出て来たそうです。この警備員は元警察官でした。事情を聞いて男を地面に押さえつけている集団の方の味方になりました。

しばらくして警察がやって来て、地面に押さえつけられていた男が逮捕されるという展開になりましたから、状況はいよいよドラマチックになって野次馬も集まりました。

パプやレストランに来ていたお客さん達は、駐車場で現在進行形で起きている出来事の話題でもちきりだったそうです。

この時、パブには非番の警察官のグループが飲みに来ていたそうです。彼等は駐車場で起きている出来事を聞いて大いに喜んだそうですよ。

と言いますのも、警察官達は悪い奴らを捕まえたい気持ちは山々なんですが、お役所ですからね、何事も処理の手順というのが決められているし、店の商品を盗まれたという被害届が出ても、まずはそれをシステムに入力しないといけませんから時間もかかるし、何をするにも上からの許可や指示が出るまで動けません。

だから、被害者が自分で調査をして証拠を揃え、泥棒を自分で見つけ出して捕まえて、捕まえてから警察を呼ぶという今回のような出来事は、彼等にとってとても愉快に感じるらしいのです。


警察の事情聴取が終わった後、うちの夫と息子とスタッフの一人は、そのパブで晩ご飯を食べて帰りました。興奮してなかなか寝付けなかったところへ、夜の10時過ぎに警察から電話がかかってきて、提出したはずの証拠の動画の所在について聞かれたそうです。

提出した証拠の写真や動画は、提出した警察署でまだ処理すら終わっていなかったのですよ。

泥棒を捕まえるのがもう少し遅れていたら盗まれた商品は売られてしまって取り戻せなかっただろうということでね、やっぱり自分達で捕まえることにして正解だったという話なんですけど。

泥棒を現行犯で捕まえて、警察がお店にやって来たということはこれまでに何度もあるのですが、今回のは勤務時間の後に別の町の商業施設の駐車場まで行って起こした出来事ですからね。

うちの夫は泥棒に後ろから飛びかかっていますし、暴れる泥棒を殴ってもいますし、泥棒がうちの夫を暴行で訴えないことを祈りますよ。

しかしまあ、ナイフを持っていた泥棒に刺されたりしなくて、計画通りに上手く行ったからこんな話が出来るんです。普通はしませんし、しない方がいいです。


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